ファシリテーターとして会議の進行をする場合にはどのような進め方をしたら良いか?ということをお伝えしたいと思います。
ファシリテーターの力量次第で、会議の中身やプロセス、結果、参加者の納得感や成果が大きく変わります。一人ひとりの満足と組織の成果を最大最適化するためにはどのように会議を進めると良いでしょうか?
会議の事前準備
ファシリテーターは会議の前に以下のような事前準備をしておくことをお薦めします。
(1)会議の目的の確認
会議の目的を明確にしておきます。
(2)参加者は誰か?と人数の確認
事前に参加者同士の関係性(上司と部下、初対面の人ばかりなど)と人数の把握をできればしておくと良いと思います。
(3) アイスブレイクの準備
会議を始める場合には、参加者の緊張を溶きほぐすため、また場を和やかにするためにアイスブレイクを行ないます。ゲームなどのアイスブレイクもありますが、会社の会議などの場合はチェックインといって、何かテーマに沿って一言づつ話してもらうのが良いと思います。
また、このテーマは本題に入る前の重要な導入部分になりますので、本題での話し合いがスムーズに行われるようにするためのテーマだとより良いと思います。
会議ではとかく黙って居る人が多かったりする場面もありますが、チェックインの場面では気軽にいろいろ話して頂けることも多いものです。如何に参加者の意見を引き出せるかは、ファシリテーターの腕の見せ所です。
(4) 会議の設計
会議を始める前には会議のために用意された時間の中で、どのような時間配分で行うか事前におおよそ会議の時間配分を見積もっておく必要があります。時間内に目的を達成することがファシリテーターとしての大きな役割の一つです。
ファシリテーターとしての会議の進行の注意点
会議の進行を行なう場合に、ファシリテーターが注意しなければいけない点があります。
(1)ファシリテーターは中立の立場
ファシリテーターは中立の立場で、参加者一人ひとりを対等に扱います。
(2)目的の共有
全員が目的を理解するように最初に説明するとともに、板書しておくとか、会議の途中で時々確認すると良いでしょう。
(3)一人ひとり全員の意見を収集
一人ひとり全員から意見を出して頂けるように工夫します。例えば、少人数であれば順番に全員に発言して頂くとか、人数が多い場合や発言するのが苦手な人が多い場合などはポストイットやメモ用紙を配布し、意見を書いて頂いて、全員に順番に発表してもらうなど工夫すると良いと思います。
場が温まっていないうちに「どなたか意見のある方はいませんか?」とか、「ご意見のある方はお願いします。」のように誰ともなく場に問いかけるのはNGです。場が温まり、誰もが自由に発言できる状態になっていればよいのですが、そうでない場合はこのような振り方をすると場を管理できなくなる可能性があります。
一人ひとり順番に話して頂くとか、二人づつペア、あるいは2~3人の小グループになって話し合って頂いて代表に発言して頂くなど、一人ひとりの意見を吸い上げることのできる方法を行ないましょう。このようなグループの代表に発言して頂く場合は、できれば他のメンバーの方に追加や補足はありませんか?と質問すると丁寧です。
※ ポストイットに書いたものを貼り出す方法もありますが、これは各自の意見を足したり掛け合わせたりがしにくくなるので、ファシリテーション的にはあまりお勧めしません。
(4)ホワイトボードの活用
場から出た意見は、どのような意見も同じように扱うことが大事です。誰かの発言を受け取ったという意味と共有する意味で参加者から出体験は要約して板書をするのがお薦めです。これによって確認できたり、さらなるアイディアが生まれます。
板書の際の注意点として、各意見の発案者の名前を明記しない方が良いということです。何かのアイディアを出すと、アイディアを出した人にその役割が回ってしまうようなことが起きかねません。従って、意見は「場」から出たものとして取り扱うことをお勧めします。
(5)ブレインストーミングやディスカッションの場を提供
途中で意見が出なくなった場合は、お隣の方同志、あるいは3~4人のグループに分けて話し合って頂き、各グループから意見を頂くのも良い方法です。但しその場合、各グループの発表者が発表した後は同じグループのメンバーに「追加することはありませんか?」と言って、グループ内で発言したのに発表してもらえなかったという不満足を引き出さない配慮が必要です。
(6)タイムマネージメント
会議の設計をした通りのタイムスケジュールで進行ができているか確認しながら予定通りに終われるように心がけます。
万が一もう少し延長して続けた方が良いと判断した場合には、全員にその旨を伝えて、○分の延長の了解を頂きたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?と確認をし、了承を頂いた上で延長します。もし全員の賛同が得られない場合はこの続きをいつ行うか決めた上で会議を終えます。
(7)決議
ファシリテーションでは多数決は良しとしません。少数意見も大切に扱います。多数派の意見と少数派の意見を足したり掛けたりできないか可能性をさぐり、どちらかが100点でどちらかが0点というような結論ではなく、双方がそれなら80点だね、と思えるぐらいの第三のアイディアや発想を場から引き出すよう心がけます。
(8)ファシリックス
ファシリックスという一人ひとりの満足度の高い決め方があります。ファシリックスのやり方については別途ご説明したいと思います。
まとめ
以上ファシリテーターが会議の進行を行う上で重要なことをお伝え致しました。
- ファシリテーターとして会議を進行する前に準備すること
- ファシリテーターとしての会議の進行の注意点
すぐに全てをできるようにはならないかも知れませんが、少しづつ心がけて身に付けて頂ければと思います。
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