ファシリテーターやプロ講師にはデリバリースキル(伝える力)が必須です。どれほど知識や経験が豊富であっても、デリバリースキルが無ければ相手に伝わらなかったり、ただの一方通行の話で終わってしまうかも!伝える力を身に付けるためには様々な相手に興味を持ち、その方の日々の仕事や暮らし方をイメージしたり思いを寄せることが大事です。
プロ講師に必要なデリバリースキル(伝える力)とは?
プロ講師の役割とは何でしょう?プロの講師の役割とは「受講生をどれだけ成長させることができるか!?」に尽きます。受講生の成長を促すためには受講生に対するファシリテーション力(引き出す、促す力)とデリバリースキル(伝える力)は絶対に無くてはならないものと言えましょう。
大学や専門学校の先生で、専門用語を羅列している方を拝見したことがありますが、専門用語を羅列している先生は能力が低いことを証明していると言っても過言ではないと思います。相手に通じる言葉、相手に伝わる言い方・表現ができない場合は、語彙が少ないか表現力が乏しいと言わざるを得ません。
そのような残念な講師にならないためには、ファシリテーション力とデリバリースキルを是非身に付けて頂きたいと思います。ファシリテーション力についてはいつもブログで書いていますので、そちらをご覧頂くとして、ここではデリバリースキルについて書かせて頂きたいと思います。
プロ講師にデリバリースキルが必須な訳
先にも書きましたが、プロ講師の役割は受講生を成長させること!そのためにはその受講生に通じる、伝わる言葉で話すだけでなく、より理解しやすい言葉、よりわかりやすい伝え方をする必要があります。
一つのことを伝えるにしても、「ふうん そうなのか」と受け取られるよりも、「なるほどそうか!」と受け取ってもらった方が明らかに理解が深まっているのがわかると思います。
「ふうん」が「なるほど!」になるためにはその受講生がこちらの伝えたことをイメージして受け取ることができた時に出る言葉だと思います。
講師の役割が受講生の成長だとするならば、その受講生が「なるほど!」と言えるような伝え方が必要と言うことです。
右の耳から入って左の耳から出ていくような流れていくような伝え方では、記憶に残りにくいかも知れません。
デリバリースキルの無い講師とは?
- いつも同じ言葉で同じトーンで話す。まるでテープレコーダーのような記憶に残りにくい話し方をしているかも?(これはインストラクターの方に多い傾向です。)
- 同じことを伝える言葉を1種類しか持ち合わせず、別の言葉で言い表すことができない。
- 相手が理解しやすいような例え話ができない。
- 右脳タイプ&左脳タイプのそれぞれに伝わる言葉を使い分けできない。
- 受講生が理解できていないことに気が付かず話の先を進める。
ここに当てはまることがある講師の方は、これらを少しづつでも克服しておくことをお薦めします。
デリバリースキルを身に付けるための3つのコツ
1.相手の職場・生活環境・家族構成などをイメージして、そこで使っていそうな言葉をできるだけ探して使う。
例えば、新米講師とプロ講師の表現の違いをご紹介します。
フォルダと言う言葉が分かりにくい場合には、その方がわかるようなキャビネットや箪笥、引き出し、レターケースをイメージしてもらった方がフォルダの意味を理解しやすくなります。
2.声を使い分ける!
声の出し方を高いトーンや低いトーンを使い分ける
話すスピードをゆっくりや早口などコントロールして話す
声に感情を込めたり、淡々と感情を入れずに話したり、声の質に変化をつける。
また、声の強弱も大切です。
一本調子で話すより、このように声にメリハリをつけることで、伝わりやすくなります。
昔七色の声を出す女優さんが居て、登場人物全員の声を一人でやっていた方がいらっしゃいましたが、講師も七色とまではいかなくても何人か分は使い分けできると記憶に残ったり、伝わりやすくなったりします。
3.演技力&表現力を身に付ける!
役者さんになったつもりで、その役を演じるように話す!2番に書いたように声はもちろん、表情やしぐさなど、ノンバーバル(言語以外)の部分で伝える力も必要と言うことです。
セリフを棒読みの役者さんが居たらヘタさが伝わって、中身が入ってこない事ってありませんか?なので臨場感を出しまくって、その場面がまるでドラマの一場面のようになり切って表現する!
そのためには説明文よりもセリフで伝えた方がわかりやすいです。
例えば・・・
母が食事の支度ができたので書斎に父を呼びに行ったが、父は返事をしたにも関わらずなかなか来ないので食事が覚めてしまった。母はせっかく暖かいものを食べさせたいと思ったのに悲しくなった。
という文章より
「お父さん ごはんできましたよ~。」と母は書斎に居る父に声をかけた。
「うん わかった」
と返事をしたにも拘らず、父はなかなか食卓に来なかったので、母は
「せっかくお父さんにあったかい料理をたべさせたかったのに・・・」と悲しい顔をしたのでした。
棒読みでは伝わりにくいかも知れませんが、それぞれ成り切って感情を込めてセリフを言うとお母さんの「ごはんできましたよ~!」と言うセリフが記憶に残りやすくなり、その言葉で場面をイメージしやすくなります。
また、お母さんに共感すると(せっかくのあったかいお料理を食べさせたかったでしょうに、お父さん早く食べに行けばいいのに・・・)と自身の感情が動かされたり、お父さんに共感する人は(父親は仕事で忙しかったんだろうからイチイチそんなことで悲しまなくたって・・)と思うかも知れませんね。
このように感情の動きが伴った体験は記憶に残りやすいので、講師としてはより伝えたいことが伝わる、ということになります。
ということは、
如何に相手にイメージさせることができるか?
そのためにはどんなふうに表現したら良いか?
どのような順番で伝えたら良いか?
どんな声で、どんなスピードで、どんなトーンで話したら良いのか?
どんな言葉で語ったらイメージできるのか?
ということが重要だということです。
講師に必要なデリバリースキルを身につけよう♪
- デリバリースキル(伝える力)とは?
- プロ講師にデリバリースキルが必須な訳
- デリバリースキルの無い講師とは?
- デリバリースキルを身に付けるための3つのコツ
- 相手の職場・生活環境・家族構成などをイメージして、そこで使っていそうな言葉をできるだけ探して使う。
- 声を使い分ける!
- 演技力&表現力を身に付ける。
デリバリースキルは講師が受講生の理解を深めたりより成長させるために必要なノウハウです。
プロ講師の方や講師を目指す方には是非とも身に付けて頂きたいと思います。