ファシリテーターに必要なスキルはファシリテーション力!と言ってしまえばそれまでなのですが、ファシリテーション力とはとても奥深いものです。ファシリテーション力に含まれる要素を大きく3つに分け、更に具体的に分解してお伝えします。それら一つひとつを磨いていくとファシリテーターとしてスキルアップ&レベルアップしていきます。
【話す力&聴く力】
ファシリテーション力
「引き出す」「促す」がファシリテーション力の中でもっとも重要です。相手の意見、考えていることだけではなく、相手のモチベーションや能力、脳力、可能性などあらゆるプラスを引き出すことを心がけましょう。また、言葉が出てこない相手に対して、言葉を発しやすくなるような一言によって、相手が話しやすくなったりしますので、そのような促す言葉をかけられることがファシリテーターには求められます。
コミュニケーション力
もっとも基本的なスキルの一つですが、コミュニケーション力はファシリテーターには欠かせません。一方的に話すのではなく、相手と言葉のキャッチボールをしていくことが大切であり、時にはそのボールを他の人に投げてみることも大事です。
コーチングスキル
コーチングとは主に1:1での目的達成に向けた傾聴・コミュニケーションを意味します。会議の場面など複数の人が居る場合も1:N(複数)と捉えるのではなく、1:1がN個あると捉え、一人ひとり相手の話をしっかり聞くことがファシリテーターには求められます。その場合にコーチングスキルはとても役立ちます。
質問力
相手の発言を促したり、思考を整理して頂くときに「質問力」はとても重要です。良い「質問」は思いがけないアイディアを引き出したり、頭の中が整理されたり、物事の本質を見つけ出すこともできます。ファシリテーターが相手から何かを引き出すときや促すとき、また参加されている皆さんに何かを考えて頂きたい場合に質問力はとても役立ちます。
【伝える力】
プレゼンテーションスキル
プレゼンテーションとは相手に対する「プレゼント」という語源から来ています。ファシリテーターは会議やプロジェクトの内容や目的を伝える役割もあります。その場合に生きるのがプレゼンテーション力です。プレゼンテーションは発表して終わりではなく、発表を聞いた後に聞いた人が何らかのアクションを起こすまでのことを意味しています。、まさに次のアクションを引き出すことに繋がります。
説明力
物事を正しく伝えるときに必要なのが説明力です。中立の立場で感情移入せずに、事実をより忠実に聞いている人が理解しやすいように順を追って話す、あるいは聞いている人がイメージしやすいように話すことが大事です。
ともすると人は話すときに自分が賛同する方に肩入れしたり、感情が入ってしまうこともありがちですが、説明するときには中立の立場で感情移入しないことが大事になります。
もしファシリテーターが中立を守れなかったり、感情移入してしまったら、それは誘導することになってしまうので要注意です。
デリバリースキル
伝える力をデリバリースキルと言いますが、知識をそのまま伝えるのではなく、相手の言葉で相手が理解しやすいように例え話を交えながら話すことがファシリテーターには求められます。
さまざまな知識を学び、様々な資格をお持ちの方がいらっしゃいますが、そのような方々はともすると自分たちの当たり前の言葉を使いがちなので、他の人からすると専門用語が多くてわかりにくい、ということになります。
以下に専門用語を噛み砕いて、相手が理解できるように伝えることができるか!?これは特に磨いて頂きたいスキルです。
提案する力
ファシリテーターはあくまで中立の立場で個人的意見を持たないことが求められますが、場が困窮したり、アイディアがなかなか出てこない場合などは、その場を促すために何かを提案することもあります。
そのときにはあくまでも中立の立場を維持したまま、このような見方や考え方もありますが、いかがでしょうか?など、場を活性化、促進させるために提案することも必要になります。
ファシリテーターとして提案する場合は、何か内容そのものを提案するよりも、視点を変えることや、新たな発想を促すような提案が望ましいです。
論理力
論理的に、順を追って、より正確に事実を伝える場合に論理的思考や論理力が必要となります。説明する場合、提案する場合など、論理力が必要となります。
【マネージメントスキル】
タイムマネージメント
ファシリテーターは、その場をマネージメントする役割もありますので、時間管理や時間配分など、タイムマネージメント力も求められます。
アイディア出しに時間を掛け過ぎて、まとめる時間がなくて時間内に追われないなどということが無いように、最初から限られた時間の中で終わらせる必要がある場合は、時間配分などをしっかり考えておく必要があります。
プロセス管理能力
ファシリテーションの場面で大切なのはプロセス、つまり途中経過です。同じ結論に至ったとしてもそのプロセスによって一人ひとりの満足度や成果に違いが生じますので、できるだけ丁寧にプロセスを見守ることも必要です。
交渉力
目的達成に向けて、より最大最適な状態になるよう、ときとして交渉が必要な場面もあります。合意形成に向かうことが求められますので、決裂にならないように交渉していきます。相手の満足、こちらの満足、全体の満足を考えた交渉力がファシリテーターには必要です。
問題解決力
ファシリテーターにはコンフリクトマネージメントと言って、問題解決能力が求められます。この場合には如何に敵対せずに双方がおおよそ満足できる結論を引き出すために冷静に判断できるよう促すことが重要です。
より上位の双方が理解できる目的を確認をすることで、おおよその問題は問題とならないケースもあります。
まとめ
ファシリテーターに必要なスキルを大きく3つ、更に細かく分けてご紹介しましたが、ファシリテーターには総合的なコミュニケーション力が必要だということがお分かり頂けたかと思います。
- ファシリテーション力
- コミュニケーション力
- コーチングスキル
- 質問力
- プレゼンテーションスキル
- 説明力
- デリバリースキル
- 提案する力
- 論理力
- タイムマネージメント
- プロセス管理能力
- 交渉力
- 問題解決力
これら一つひとつを全部完璧に身に付けられればもちろん良いですが、そんなことを言ったら誰もが「ファシリテーターは難しくてできない!」ということになってしまいます。
今回示しているのは「理想」と捉え、自分ができているところとできていないところ、あるいは得意なところと不得意なところを見つけ、それぞれできていないところや不得意なところを磨いていって、少しづつ「理想」に近づいて頂くようなイメージを持って頂けたらと思います。