あなたはご自分の話し方の癖をご存知ですか?話し方の癖は自分ではなかなか気づけないものです。もしあなたが人前で話したり、オンラインで話す機会があるならば、自分の話し癖を知って改善していけばお相手の満足度がUPし、講師としての人気もUPしていきますヨ!まずはご自分の話しているところを録画し、自分の話し癖を見つけましょう!
話し癖チェック準備
はじめに話し癖をチェックするために、録画か録音をして頂きます。ご自分でお客様に対して普段お話になる内容を、スマホかzoomで録音してみてください。できれば声だけでなく口元も見えるように録画の方がより改善点が見つかりやすくなります。
録画内容があまり短すぎてもチェックできませんので、原稿を読むなら400字詰めを1枚分ぐらい、また原稿なしで話される場合は5分は話してみてください。
誰かに対して「話す」場合には、声や言葉は相手へのプレゼントという意識を持つことが大切です。大切なプレゼントがしわくちゃの包装紙で包まれていたり、リボンがほどけていたらどうでしょう?イヤですよね♪
ですので、声や言葉を相手に「嬉しい!」と思って受け取って頂けるようにできるだけきれいに包装し、リボンも相手が喜ぶような掛け方ができるといいですよね。そんなことをイメージしながら7つのチェックポイントをご確認いただければと思います。
チェック【その1】口の開け方・開き方
相手に声を届けたいはずなのに、口をあまり開かずに話している方がかなり見受けられます。これは20年前に比べてここ近年の受講生の皆さんに共通して見られる傾向です。
口を開けないということは一語一語がハッキリ発音されず、こもってしまいますので、とても聞き取りにくくなってしまいます。
先日も受講生のお一人があまり口を開かずに「お願いします」と言っている言葉が「お願いしもーす」に聞こえますよとフィードバックして、みんなで大笑いしました。
舞台俳優の方やアナウンサーの方が活舌を良くするために口をちゃんと開いて練習しているのを見たことはありませんか?
- あえいうえおあお
- かけきくけこかこ
- させしすせそさそ・・・
練習するときには、一語一語の母音がしっかり聞き取れるようにしっかりと口を開けることが大切です。母音のあいうえおの口の開きをシッカリできるように心がけてみてください。
チェック【その2】声のトーン 聞きやすさ
声のトーンとは音楽的に言うと音程のことです。年齢がかさんでくると高音や低音が聞き取りにくくなりますので、そこを配慮した音程の声を意識することが大切です。
また、声にも長調と短調が存在します。実際には前後の音との差によって長調に聞こえたり、短調に聞こえたりするのですが、短調に聞こえてしまうとネガティブな印象を与えてしまうので要注意です。
できれば長調の声の方が明るく心地よく聞こえますので、長調になるような声のトーンで話して頂くことを心がけて頂きたいです。
チェック【その3】声のボリューム 語尾 強弱
声のボリュウムも話すときの重要ポイントです。例えば喫茶店でお向かいの人と話す場合と、教室などで話す場合、オンラインで話す場合は声の出し方が異なります。特に話す声が裏声の場合はボリュームが小さくなりがちなので、腹式呼吸をしっかり行なっておなかから声を出す練習が必要です。
また伝える内容によって、声のボリュームを上げたり下げたりすることも演出として必要な場合があります。
重要なことを伝えるときに声を張り上げるだけではなく、あえて小声で話すことによって会場が一気にシーンと静かになることもあります。
ボリュームを加減し始めると語尾が聞こえにくくなる方がいますので、語尾までしっかり相手に聞こえる声で話さないと結局YESなのかNOなのかわからなくなってしまう可能性もあります。語尾は無性音(母音の音が聞こえない)ではなく、有声音(母音の音がしっかり聞こえるように)で話しましょう。
チェック【その4】イントネーション 方言
標準語と方言、どちらがどうのということはありませんが、相手に合わせて使い分けできるとイイですね。標準語と方言の一番の違いは言葉の一文字一文字の違いもありますが、イントネーションはなかなか直しにくいものです。
方言プラス早口でイントネーションが聞きなれないと聞き取りにくいということをインプットしておくと良いと思います。
私は秋田県によく研修でお邪魔します。普段標準語で話してくださっていたスクール生の皆さんがあるとき模擬会議の場面で方言で話し始めました。役になりきって素晴らしい模擬会議になったのはわかりましたが、全く理解できず、あとで通訳してもらいました。素晴らしすぎてわからないなんて笑い話ですね。
チェック【その5】話すスピード 聞きやすい速さ 緩急をつける
人前で話す人がもっとも重要視すべきはスピードではないか?と思うほど話すスピードは重要です。何故なら、速すぎても遅すぎても良くないからです。
またそのスピードの加減は相手によって異なりますので、今目の前にいる方のために最も適したスピードで話せることが重要です。そのためには今目の前にいる人がどのような方かを理解する必要があります。どれだけ相手に寄り添って話せるか?話し手の力量が求められる部分でもあります。
また、話すスピードは一定ではなく、緩急をつける方が相手の脳に届きやすくなります。ト書き的な部分は速く話しても問題ないでしょうし、大事なところはゆっくり語る、また繰り返し話すのも良いと思います。
チェック【その6】笑声・・・声の質
声の質は生まれ持ったものですから変えようがありません、と思われるかも知れませんが、一人ひとり自分の声の中でも声の質は異なります。
例えば怒っているときに話す声と、悲しい時に話す声、喜びに溢れているときの声では明らかに質が違いますよね?
怒っているときの声はトゲトゲしていて、いくらプラスの言葉だとしても相手にはチクチクとトゲが刺さるように届きます。
笑顔で話す声を「笑声」と言いますが、これは表情が笑顔、気持ちもそれに伴っている状態の時の声のことを言います。人前で話す際には、声の質の中では笑声が一番適しています。
もちろんTPOがありますので、不祝儀の時には悲しい顔をしたときの声が適しているのは言うまでもありません。
また、よく電話でお詫びしているときに相手からは見えないにも関わらず頭を下げている方がいらっしゃると思いますが、間違いなくお詫びしている声になっているので電話越しでも相手にお詫びの気持ちが伝わるのです。
チェック【その7】「間」の取り方
人前で話すお仕事をしている人は、「間」をとても大事にします。
例えば相手に何か質問をしたら、答えを考える時間を提供すべきですし、質問をして考える時間を与えないのはもってのほかです。
また大切な話をする前には、相手が聴く体制を整えるための「間」も必要です。
講師を始めたばかりの方などはこの何も話さない「間」を苦痛と考える人もいらっしゃるようですが、この「間」は講師として相手の状況把握のためにも必要な時間にもなるのです。
この「間」を取るときは、講師や話し手側に“余裕”があることがポイントになります。でないと「間」を取るべくして取っているのか、話しに詰まって無言になっているのかわからなくなってしまうこともあるからです。
この「間」を自在に操れるようになったら、講師としてもトップレベルと言って良いと思います。
まとめ
今回は話すお仕事をされている方の話し癖のチェックポイントと改善方法をお伝えしました。
- 話し癖チェック準備
- チェック【その1】口の開け方・開き方
- チェック【その2】声のトーン 聞きやすさ
- チェック【その3】声のボリュウム 語尾 強弱
- チェック【その4】イントネーション 方言
- チェック【その5】話すスピード 聞きやすい速さ 緩急をつける
- チェック【その6】笑声
- チェック【その7】「間」の取り方
講師やコーチ・コンサルの方など、ご自身のコンテンツについてはしっかり学ばれると思いますが、今回お伝えした「話し方」や「デリバリースキル」については学ばないうちに講師業を始める方もいらっしゃいます。お金を頂いて教える仕事をされる方には、最低限「話し方」と「デリバリースキル」は身に付けて頂きたいと思っています。
「あ~」と口を開けた時に、指3本入りますか?